ニーヤの伝説
〜愛のデトニヤ劇場☆(待て〜

証の章〜勇気と力と知恵の紋章〜
  勇気の紋章


カカリコ村

教会から出て、デットが向かった先は、カカリコ村。

話によると賢者の一人、サハスラーラは、この村に住んでいるらしい。村を聞いて回ったが、手がかりはなし。

逆に、デットがお尋ね者になっていて、追われる身になっている。そんな中、村の北にある民家にいるおばあさんが助けてくれた。

おばあさんに賢者サハスラーラの事を話すと、

「ああ、サハスラーラさんなら、こないだ荷物をまとめてどっかへ行きおったよ。なんかとある理由で身をかくさないかんともいっとった」

と言った。

こんな所でもいい人はいるもんだなと感心し、サハスラーラは東の方へ言ったという情報を聞き入れ、村を出て東へ向かった。
 

東の荒野

東の方は荒れ果てた荒野で、口から石を吐く魔物がうようよいる。

そこから北に進めば、怪しい薬屋があって、荒野から更に東に進むと、神殿がある。神殿の方へデットは行った。

その先でデットが見つけたのは、前にここに行った時にはなかった穴、そして民家。

これは何かあるなと思って民家の中に入ってみた。すると…

「おお、きおったか、デット。まあ此処に座れ」

「お久しぶりですぅ〜、サハスラーラさん」

ロザリオの緊張感のない声。

「おお、久しぶりじゃの、ロザりん」

「で、何です、いきなりこんなところに…」

「あぁ、そのことなら…」

サハスラーラは語り始めた。


脅威のことも、自分の死期のことも、デットのことも。


「して、これで相手を突き刺したんじゃ。だがのぉ、相手はこれだけじゃ倒れんぞって言って、仕返しにナイフで腹を刺されたんじゃ。

そこでワシは相手に魔法をかけた。確か、くすぐりの魔法じゃったかのぉ。それを使って、見事相手をうち倒したんじゃ」

しかし話は何故かそれ、今はこの爺の武勇伝の話になっている。

「そしてこれが疾風の靴、ペガサスの靴じゃ。コレを履いて少し足踏みするとすこぶる早く走れるのじゃ。

これで壁にぶつかった時がいたくてのぉ。それ以来使うのを止めたんじゃ」

正に今はどうでもいい話だ。デットはこの爺さんを殴りたくなってきた。

「そして、これが還暦の頃作ったパンプキンパイじゃ。このころ作ったパンプキンパイは、そらもうすこぶる上手かったのぉ」


 ―…だめだ、この爺さん…―


デットはそう思いながら、サハスラーラの話を聞き流していた。


「というわけじゃ。さて、このペガサスの靴なんじゃが、おぬし、持っていくか?」

サハスラーラが言う。

「持っていきます。ということで、勇気の紋章を手に入れたら戻ってきます!」

デットはそう言うと、走り去っていった。今のデットにとっては、あの爺さんの話から逃れられることは一番の至福なのだ。

 

場面は変わって、東の神殿の入り口。デットはそこにいた。

「ふぅ…あの爺さんの話を聞いてたら日が暮れちゃうよ…」

「えー?あのおじいさんの話面白かったよー?」

「長すぎるって言ってるんだよ」

何かを言おうとしたロザリオを無理矢理黙らせて、神殿の中へ入った。

東の神殿 正面玄関

 神殿の中は、外の明るさとは別の明るさがあった。

明かりは点いていないものの、ぼんやりと明るいのは、神殿の壁全体がうっすらと光を発しているからだろう。

 デットとロザリオは、向かって右側の扉に入った。が・・・。


 扉の向こうからデット達が出てきた。

「行き止まりなんて聞いてないぞ…!」

 デットが息を切らしながら言う。

「あら、私は知ってたわよ?」

「じゃあ何故言わない!?こう言う時はアドバイスしてくれたっていいだろ。」

「えー?ちょっとそれは都合が良すぎるんじゃありませんかぁ?」

「都合悪い時に逃げやがる奴の言う台詞か?」

 この他に何か言い争いが続いていた気もするが、長さからして以下略。


今度は、真ん中の扉へ入った。真ん中の扉はちゃんと道が続いており、道の途中にはメデューサの頭のようなモンスターがいた。

デットはそれを剣で斬り、向かいの扉へと向かった。

「とびらは かたく とじられていて あきそうに ない」

「…なんのつもりだ」

RPGの解説風に言ったロザリオにツッコミを入れるデット。

「見て、あそこに浮き出てる所があるよ」

「あっ無視すんな!」

デットは文句を言いながらも、浮き出た床を踏む。すると、閉まっていた扉が開く。

「なるほど、そう言うことだったか」

デットはロザリオを握り潰しそうな勢いで持ち、更に奥へと進んだ。


デット達は神殿の内部を探り、時には魔物を斬り、神殿内部に仕掛けられた仕掛けを超えてきた。

道の途中で大きな宝箱があったが、どうやっても取れそうになかったので、後回しにすることになった。

そうしてしばらく進んだ時、デットの手のひらには入りきらない大きな鍵が手に入った。その大きな鍵で宝箱を開けた。宝箱の中には―


「弓と矢だな。ご丁寧に矢立もある。使えってことか」

デットが弓矢を取ると、天井から骸骨が落ちてきた。落ちた衝撃で骸骨は崩れ、頭蓋骨だけが浮き、頭蓋骨はデットを襲う。

「…これってもしかしなくても…もしかしなくても…」

「この仕掛けが作動するスイッチだったのね。この宝箱」

デットは弓矢を背中の剣の鞘に引っかけ、大きい錠前の前に逃げる。そして大きな鍵を出し、錠前に差し込む。

「よしっ!鍵が開いた!」

デットは扉を勢いよく開け、その部屋を出て、扉を閉めた。


 ―助かった―


そう思ったのもつかの間。デット達が入った部屋には魔物がうようよいた。

「…くそっ!」

デットはさっき手に入れた弓矢で魔物達を射抜いた。

次々に、魔物を射抜き、最後の一匹・・・。最後の一匹を倒したとき、何かが落ちる音がした。

近寄って見てみると、鍵だった。デットは手にした鍵で扉を開け、更に上に進む。

そして、ボスの間…。



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