ニーヤの伝説
〜愛のデトニヤ劇場☆(待て〜
氷の章〜つるつるすべって頭ぶつけて〜
後半になるにつれてグダグダ感が強くなってくるニヤ伝ですが何か
第11話ですが何か
The place
ブラインドはその眼に映ったものを敵と判断した。
それは司祭デスの最も憎む相手、司祭デスが抹殺したいと思っている人間。
闇の世界の全ての魔物は、司祭デスの思いのままに動くようにプログラミングされてある。
トライフォースに触れた者は、聖地を思うように作り替えることが出来る。
そのものが混沌を望むのならその世界は混沌と化し、逆に光を望むならその世界は光に包まれる。
そして、司祭デスはデットを殺すように仕向けることで。邪魔者を亡くし、更に欲求を満たそうとしたのだ。
だが、そう上手くは行かないのが世の中と言うものである。
デットは、司祭デスに負けないくらいの資質を持っていた。
だからこそ、あの神父はデットに託したのだろう。そして、サハスラーラでさえも。
「デット…我が輩から全てを奪い去ってゆく、滅びを呼ぶ悪魔……」
だからこそ、デットを殺す必要がある。
ブラインドは今目の前にいる憎むべき相手を抹殺することを優先しようとしていた。
そうだ、それでいい……。
司祭デスは、強く念じていた。
デットへの怒りの念を。
ブラインドの洞窟 光の間
ブラインドが向かってくる。
デットはサッドネスノクターンと盾を構え、ブラインドの襲撃に備える。
だが、ブラインドは突如としてその場から消えた…ようにも見えた。
「何処に行った…!」
…後ろだ!
デットは、辛うじて放たれた火の玉を避ける。
そして反撃のソードビーム。
攻撃はブラインドの首の付け根に命中し、頭部が肉体から転げ落ちる。
しかしブラインドはそれがどうしたとでも言わんばかりに、一層激しく移動する。
ブラインドの手からビームが放たれる。
これくらいなら避けられる…!そう思ったものの、ビームは途中で枝分かれし、部屋全体を焼きこがす。
「うわああ!」
実体のないものに身体を焼き焦がされていく痛みに、苦悶の叫びをあげる。
ブラインドは空中に留まる。
「どうなってるんだ…?」
火の玉が横から飛んでくる。
だが、ブラインドは今目の前にいる。首がない状態で。
火の玉が飛んできた方向を見る。そこには、さっき切り落としたはずの頭があった。
「なんて気味の悪いボスだ…」
更にブラインドの身体の方を見ると、新たな首が生えている。
「下手物が…まるでトカゲだな」
ブラインドの首が回転し始める。切り離された方の首はさながら惑星のようにデットの周りを公転する。
胴体に付いている首から火の玉が乱射される。
デットはそれを避ける。これくらいなら造作もないことだ。
ソードビームで攻撃しようとした時、デットの後方から火の玉が飛来し、それはデットに命中。
襲い来る熱と痛みに、デットは悶え、背中の布は燃える。矢立と矢は燃え尽き、紐から上着全体に炎が燃え移る。
「剣で降れば直るわよ」
「時オカじゃないっての」
デットはエーテルを使い、炎を消した。
だが、上半身の服は既に燃え尽き、デットの華奢な身体がさらけ出されていた。
「デ、デット……」
「二段腹なんだ……」
「誤解受ける言い方だな。二段腹でもねーよ」
デットは舌を打ち、飛んでくる火の玉を避ける。
「エーテル…」
そう呟くと、デットの周囲から冷気が発せられ、その冷気はサッドネスノクターンの刀身へ凝縮される。
目を閉じ、剣先へと意識を集中させる。
サッドネスノクターンの刀身の周りに、薄い紫色の光がまとわりつき、それは空間への解放を求めて蠢く。
回転切りと大地の魔法、エーテルの複合…、回転切り・吹雪!
「食らえ……!」
光は一気に解放され、放射状に冷気が飛び出す。デットは光に振り回されるように回転している。
光と冷気の奔流に弄ばれながらも、ブラインドは攻撃しようともがく。
だが、押し寄せる冷気に耐えきれるはずもなく、水蒸気に隠れる。
「やったのか?」
イヴァリアスが呟く。
「いや、まだだ」
デットがそう言うと、水蒸気の中からブラインドが現れる。
「しつこいな…!」
だが、ブラインドは攻撃している様子を見せない。ただ、空中に漂っているだけ。
よく見ると、ブラインドの首が無い。
「……!」
二方向から火の玉が飛んでくる。
辛うじて避けたが、更に多くの火の玉が発射される。
それを避け続けるが、業を煮やしたブラインドの本体が突進してくる。
「何ぃ…!」
吹っ飛ばされ、壁に激突するデット。
さっき使ったエーテルの所為で、壁は冷たい。上半身の服は燃え尽きてしまった。そのことが、ことさらに冷たさを強調している。
デットは、もう駄目かと思った。
その時、ある違和感に気付いた。
さっきからブラインドは日の当たっている場所にしか移動していない。
それは首も同じ事だ。
火の玉が飛んでくる。デットはそれを避ける。
だが、本体と首は近付こうとしない。
「…そうか」
デットは呟く。
「分かったぞ、攻略法が…」
デットはエーテルのメダルを握りしめ、そしてサッドネスノクターンを掲げる。
火の玉が発せられ、デットに直進する。
「エーテル……頼むぞ…」
冷気が発せられる。
火の玉はデットの周囲に立ちこめるそれによってかき消される。
天窓から見える空には、雲が集まってくる。
その雲は太陽の光を遮り、天窓から差し込む光はほんの僅かになった。
ブラインドが苦しみ始める。そして少女の姿に戻っていく。
デットは、無言でソードビームを放つ。
それはブラインドを一刀両断し、白い布からクリスタルが落ちる。
「ごめん、ニルヴァーナ…」
建前でも、言っておかなければいけない。そんな気がした。
ニルヴァーナは、『盗賊』と『お嬢様』。その二面性を持った人間だった。
それなら、『お嬢様』のニルヴァーナに罪はない。
デットは、最早白い布だけとなったブラインドの傍らに落ちたクリスタルを拾い上げる。
そして、クリスタルを掲げる。
「これで四人目…」
光の神殿 神殿解放後
「そういえばさ、キリスト教とかで左手が汚いとか無かった?」
「それイスラムだな」
「関係ない話をするなよ」
例によって、クリスタルが巨大化する。
「デット、貴方のおかげで、魔族の手から逃れることが出来ました…。ありがとう…」
毎度毎度のパターンだな。デットはそう思った。
「私はニーヤ。光の賢者であるラウルの子孫よ」
「司祭デスの陰謀がまだ続いてるのか」
「それはしょうがない」
光の賢者、ニーナは口を開く。
「七賢者が、闇世界との通路を封印する時、魔族の攻撃から賢者達を守ってくれたのがウールの一族でした…」
「7賢者を守るために戦った、ウールの一族…」
そこには、サハスラーラが言っていた話との相違はない。
「ええ。その時の戦いで、ナイトの血筋は殆ど絶えてしまったと聞いていたんだけど…。
多分、貴方はウールの血を引く、光の世界での最後の一人…。
その最後の一人が「勇者」となる力を秘めていたなんて、不思議な話ですね」
デットは、ため息を吐き、独り言のように言った。
「僕は、自分が何処で生まれて、何処で捨てられ拾われて、どうしてガルドさんに育てられたのか分からなかった…。
聞いてもガルドさんは答えてくれなかった…」
今ではその理由が分かるような気がする。
恐らくガルドは、知っていながら教えなかったのだろう。いや、教えられなかったのだ。
デットがいずれ勇者になる存在だと言うことを。
「ウールの一族は、その存在を秘匿とされているのです」
「伝承として残っているのに?それこそ不思議な話だな」
皮肉っぽくデットが言う。その言葉に嘘偽りはない。
「現存する一族は、この聖地にひっそりと住んでいました。
ですが、ガノンがトライフォースに触れ、その殆どが魔族と化したのです。」
「…その魔族は何処に?」
「ウールの一族は、ニアリス…聖地の七つの地方に分かれ、住んでいました」
「…七神殿か」
それは、賢者達が捕らわれている場所。デットが解放した四つの神殿は、それに当たる。
「ええ。そのうちの一つ…ブラインドのほこらは元々、光の神殿と呼ばれていました。
ですが、光の神殿はトライフォースを求めてやって来た盗賊達に占拠され、そこに住んでいた一族は移動を余儀なくされました」
「ピラミッド!」
デットが眠っていた場所、ピラミッドの頂上は、遠くから見ればトライフォースのようにも見えた。
「ええ。あなたが眠っていたピラミッドは、元々はトライフォースが収められた神殿だったのです」
「それを一族が改修したのか」
「ええ。魔族になった一族は魂を幽閉され、ガノンは神殿に魔物を放ちました」
ガノンは、イケニエの護衛のために魔物を放ったという。
「それが今の神殿か」
「ええ」
「ガノン…僕が倒さなければならない、敵…」
「貴方なら、きっとガノンを倒せます」
「ああ。絶対に、ガノンを倒す」
「ちゃんと聞こえました?
→ う ん
ぜんぜん 」
「………うん」
何回やっても、これは慣れない。
「勇者の行く道が、トライフォースへと導かれますように…」
はぐれものの村 郊外
巨大なカエル…いや、カエルの形をした何者かが、巨大な岩に囲まれ動けなくなっていた。
デットの背よりも低いが、カエルには飛び越えられそうにない。
気になり、デットは声をかける。
「何でそこにいるんだ?」
するとカエルは喋り始める。
「わかりません。気付いたらここにいて」
「…そうか」
あの木もそう言っていた。
どうやら、開きかけの力の通り道が関係しているようだ。
「私は、カカリコ村で相方と鍛冶屋をやっていました」
「鍛冶屋…?」
「はい」
鍛冶屋。たしかカカリコ村の鍛冶屋は飛び切り腕の立つ鍛冶屋だと聞いたことがある。
ガルドからもらった剣はあの鍛冶屋が作ったものらしい。
「デット、剣を鍛えてもらえば?」
「でもサッドネスノクターンだぞ」
イヴァリアスが反対の意見を述べた。
「いや、鍛えてもらおう」
「本気か?」
「ああ。シープの言葉も気になるしな」
デットは、シープの言葉を思い出していた。
――悲しみの夜想曲は、さらなる高みを目指している――
もしサッドネスノクターンのことを言っているのだとしたら…。
「伏せてろ。助けてやる」
「ありがとうございます。剣を鍛えるには…」
「後だ、後」
デットは岩を掴み、力を入れる。
パワフルグラブが光り、デットは岩を持ち上げ、投げ捨てる。
バキバキ、と木が折れる音がして、次に地鳴りと震動。
「ありがとうございます、ありがとうございます」
「つかまってろ…」
カエルは言うとおりにデットにつかまり、デットはマジカルミラーを使った。
周りの景色が歪み、陰鬱とした光無き世界から去っていった。
ヤヴァイ、Bパートまで持たない(爆砕
いやだってさ、このあと鍛冶屋のイベントもあるからさ、必然的に少なくなっちゃうんだよね
神殿が
まあレインさんのサポートがあるから省略出来るけど
Let's go B-part...